突然の悲しみに胸が締めつけられる中で、配偶者を失った後の手続きは何から始めればいいのか、不安で夜も眠れない……そんな方も多いのではないでしょうか。
故人が残した財産や住まい、名義変更や各種届出など、やるべきことは意外と山積み。しかも「相続税って本当に払わなきゃいけないの?」という税金まわりの心配まで重なると、どこから手を付けていいのか途方に暮れてしまいますよね。
この記事では、税理士に相談する第一歩として、具体的な手続きの流れと相続税の基礎知識をケーススタディ形式でわかりやすく解説します。
配偶者死亡による相続の手続き

夫が亡くなりました。土地と自宅が夫名義なので相続手続きをしないといけないのですが、どういう手続きをしたらいいのですか? 相続税を払わないといけないのですか? 家族は私と40代の息子が一人です。
(和子さん・70代女性)
ご主人がお亡くなりになったとのこと、心よりお悔やみ申し上げます。
相続のお手続きは初めてのことも多く、ご不安もあるかと思いますので、順を追ってわかりやすくご案内いたしますね。



よろしくお願いします
まず、最初に確認することなんですが、今回は「奥さま」と「息子さん」のお2人が相続人ですね。
→ このことを証明するために、まずはご主人の戸籍(除籍)謄本を出生から死亡までさかのぼって取得する必要があります。



はあ……主人の戸籍ですか。他には何をしないといけないですか?
では、手続きの全体の流れを一通り説明しますね。
- ご主人の戸籍(出生から死亡まで連続したもの)
- 相続人(奥さまと息子さん)の戸籍謄本
- ご主人の住民票除票(亡くなったことを証明)
- 相続人の住民票(名義変更などに使います)
- 自宅の土地・建物の「固定資産評価証明書」や「登記簿謄本」などを取得し、不動産の価値を確認します。
- 他に預貯金や借金、車などがある場合も、すべてリストアップして「財産目録」を作成します。
- 相続人全員で「誰が何を相続するか」を話し合い、「遺産分割協議書」を作成します(手書きでも大丈夫ですが、不動産がある場合は法務局に出すために正確に作る必要があります)。
- 法務局で「相続登記」の手続きをします。
→ これは2024年から「相続登記の義務化」が始まっており、相続を知った日から3年以内に行う必要があります。
- 相続財産の合計額が「基礎控除」を超えている場合は、税務署に10か月以内に申告が必要です。
基礎控除の計算の仕方:
3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
今回の和子さんの場合は → 3,000万円 + 600万円×2人= 4,200万円になるので
財産が4,200万円以下なら、相続税の申告は原則不要です。
ざっとこのような感じになります



やる事がたくさんありますね……
そうですね。少し簡単にまとめてみましょうか
| やること | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 1 | 戸籍・住民票の取得 | 市役所で取れます |
| 2 | 財産の確認(不動産・預金など) | 評価証明書は市役所、登記簿は法務局またはネット |
| 3 | 遺産分割協議書の作成 | 相続人の全員が実印・印鑑証明 |
| 4 | 名義変更(相続登記) | 法務局へ書類提出 |
| 5 | 相続税が必要かどうか確認 | 財産が4,200万円を超えるかどうか(和子さんの場合) |



不安だわ……。私にできるのかしら
もし、「不動産の評価方法がわからない」「遺産分割の内容に悩んでいる」「書類作成が不安」といったことがありましたら、無理に一人で抱えずに、税理士や司法書士に相談するのもおすすめです。
無料の「相続相談会」などを市区町村や法テラスで実施していることもありますよ



そうなのね。とりあえずどういう手続きが必要なのかは何となく分かったので、息子と進めてみます。分からなくなったら相談させてもらうわね。
<税理士監修済>
まとめ
相続手続きは「何を」「いつまでに」「誰と」行うかを整理しながら、一つずつクリアに進めていくことが大切です。
書類の準備や名義変更、税務申告は慣れない作業で大変ですが、市区町村や法テラスで開かれる無料相談会をうまく活用すれば、わからない点を気軽に専門家に確認できます。
まずはご家族と手続きを進めながら、不安や疑問が出てきたタイミングで税理士へご相談を。

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